この課では中国語を音声の仕組みという土台から解説します。日本語は母音優先の発音に対し中国語は子音優先です。こうした日本語と中国語発音の仕方の根本の違いを知ることで、ピンインの正しい発音法が見えてきます。
この土台を知ってから、子音別グループの本課では実際の発音の仕方を口型という口の開きかたに加え、口の中での舌の動き、呼気の流れを知識として学ぶことで、中国語発音のメカニズムを理解してトレーニングができます。
中国語を学ぶ目的は大概は「会話ができる」ですから、発音はある程度通じれば良いと感じて、知識よりも手っ取り早くトレーニングをおこないたい、音声の仕組みなど学びたくないのが本音かもしれません。
でも「言えれば聞き取れ、言えなければ聞き取れない」というリスニング上達の原則があります。沢山聞くことよりも、正しい発音で、言える単語、フレーズを増やす発音と音読のトレーニングをした方がヒヤリングを強化できます。
ヒヤリング力がないと語彙・フレーズ・文の聞き取りができませんから、会話力も身に付きません。結局正しい発音を身に付けるには、正しい中国語音声を発声するメカニズムを知ってトレーニングが上達の早道なのです。
この課のポイント!母音・子音の音声の仕組み
1課で、こんなことも学んでおこう!に下記の記述があります。母音・子音の音声の違いの特徴を再度押さえておきましょう。
■ 母音と子音の役割
言語を耳で聞いて真似ができるのは、まだ母語が身に付いていない子供の時期で、母語を身に付けた大人は、母語の音しか理解できません。
ですから外国語の発音を身に付けようとするなら、
❶ 言語音の発声する仕組みを知って、口や舌、声帯のあるノド、呼気をどのように使ってその音が出せるかをか科学的に理解し、
❷ その知識に基づいて音声を発し、
❸ その言語の発音の専門家に調整のアドバイスを聞いて、修正作業をする
というStepが必要です。
これだけは学んでおこう
子音の種類
日本で教えられている子音の種類と発音の簡単な説明です。
「ラジオまいにち中国語講師」の加藤徹先生のネット上の中国語発音教材からの引用です。WEBサイトと大学でのオンライン授業用のユーチューブの動画教材二つがあり、どちらも著作権FreeでOpenしています。ee! chaiでは教室開校時より使用させて頂いております。
子音を音声にするためには母音が必要で, どの母音を代表として使うかを分かりやすく色別で表しています。
そしてどの子音が無気か有気かも強調しています。
無気は息を抑えて発音する、有気は息をしっかりと出して発音します。
※ 無気・有気は呼気が少ないか多いかの違いです。
※ 無声・有声は喉(声帯)の震え具合の違いです。音声が発せられるかどうかの問題です。ですから子音は音声なしでも発声はできます。子音の練習で何らかの母音をつけて練習するのは母音がないと音声つまり発音にならないからです。
なお無気音は日本語の濁音に似ていますので、濁音で発音しがちですので、注意が必要です。
中国での子音の呼び名と分類
日本での呼び名では舌とその使い方で表現していますが中国ではそれだけでなく舌の位置も表示しています。
日本語と中国語両方の呼称を一緒にしますと、子音で舌をどのようにすべきかが、よりはっきり掴めます。
なお中国では唇音をbpm・双唇音(上下の唇)とf・唇齿音chúnchǐ yīn (唇と歯 )に分けています。
子音の発音
子音の発音で注意を払うべきこと
音声学による調音とその方法。言語音発声の仕組み(メカニズム)
子音は口腔内で空気の流れが妨げられて発せられる音で、口の開き方 に加え、舌の使い方、舌の位置、息の出し方などが関係します。
そのため子音の発音を学ぶ際、音を作る調音!と調音の方法の知識が必要で す。
各子音の発音を学ぶ際にその知識によって、違いや発音の方法を具体的に学べます!
調音 とは?
調音部位と調音の方法
この「調音」よって、音声の特徴を理解し、発音の違いを明確にすることが可能です。
子音の調音部位と調音方法
子音の各グループの発音が、口の中で調音をどのように行っているかを表にしました。横軸が調音方法です。
各子音別の本課では、模範音声も紹介しさらに詳細な説明を加えます。
この調音の方法は音声学に基づく表現が多いため、学習者に敬遠されるため、きちんと取り上げるテキストは少ないです。でも外国語を学ぶために、聞いて真似をするのは母語をみにつけた大人では不可能です。
ですので、中国語発音を正しく身に付けるために欠かせない知識ですので、分かりやすくするためにまた医療用とは違うタイプの、見ても!楽しい画像でご説明します。一例です。gkhの舌根音です。
舌根音 gkhの調音:舌の根を盛り上げて喉の奥から息を擦らせます。
※ 下記の図の口腔内で舌の盛り上がる線があります。
調音部位 :gkh は軟口蓋音とも言います。舌根音は舌の奥の半分の「舌根」もしくは「奥舌(後舌)」を上アゴの奥の部分である軟口蓋に持ち上げて発音します。
調音の方法:発音器官で調音がどのように行われているか
正確な子音の発音には知識とトレーニングが必要!
子音をマスターするには、口と舌のフォームの知識と音声の微妙さを調整するトレーニングが欠かせません!
子音を精確に発音するカギは舌の動かしかたにあります!
■ 日本語と中国語子音の発音の大きな違い,
子音は母音があって音声になります。日本語の感覚ですと、「あ」の母音があって「か・さ・た・な・・・」と子音と一体化しています。舌の使い方が子音の音を調音し、口の形は母音で合体した音声になっています。
では中国語の子音は?
まずは加藤先生の動画の最初の1・2分をご覧ください。
中国語は「子音それぞれの固有の口の形がある」それから母音を発すると述べています。
【前書きー1】で、
ピン/拼・Pīnは「缀合zhuìhé・つづり合わせる」で、つなぎ合わせるつまり、子音(声母)と母音(介母と韻母)を綴り合わせる、もしくは組み合わせるという意味です、と記述しました。
そして拼音(ピンイン)は、声母と韻母を組み合わせて音節を構成するプロプロセスですから, 「組み合わせの過程を踏む」のが拼音拼读の読み方です。
過程を踏む読み方とは、ピンインの始まりは子音・母音に分解して子音を口に出し、確認し、続いて母音を併せる読み方を行います。
子音・母音に分解することで発音が正確になります。それをつづり合わせますから、ピンインをアルファベットの文字通りに読めます。つまり
Step1
最初の子音の確認は子音に合った母音で行います。 Step2
本来読むべき母音を綴り併せて読みます。
★ そうしますと最初の子音の確認はどう取らえたらよいでしょうか?
始まりの子音の発音は正しい発音のための前準備!になります。
声母(子音)の口と舌、息の出し方の「構えを取る」ということです。実際の発音は、その後、音声にして読むべき母音を組み合わせて発音するという読み方です。
日本語との決定的な違いです!
日本語では母音の口の形を作ってから、つまり母音で構えてから子音と母音を一体化させて発音します。
※ 声のプロがおこなう日本語の発音練習で、劇団四季の「母音法」は有名です
こんなことも学んでおこう!
ピンインを正確に発音するカギは子音にあり!
日本人は日本語の影響で「子音、母音を一体化」した発音ですから、ピンインを読む際にも、続く母音で口を構えてしまっていて、ピンインの声母(子音)の構えになっていません。確かに発音は、日本語耳では同じように聞こえますが、ピンインを正確に読んだ発音ではありません。
★ ですから発音の際、子音の口の構えをしっかりと作りましょう。ピンインの冒頭が声母(子音・ピンインの最初にくるアルファベット)ですから、そのアルファベットを見たら、まず口と舌で子音の構えを作り、つづいて瞬時に韻母(母音)を加えた音声にしましょう。
※ 構えと表現するのは動きに入る直前の止まった形を表しています。武道や格闘技の構えをイメージしてください。中国語の子音には母音も含めた発音全体に入る前の発音の型のようなイメージがあります。
例えば次の課で学ぶ唇音ですが、このような準備動作が必要です。
この「ため」の時間が構え!になります。そしてさらに動きですが
この動きがフォームになります。例えばバッティングフォームといえば、バッティングの動き全体を表現します。ですので唇音bのフォームと言いますと音声も発した唇音bの口と舌と息の使い方の動き全体をさします。
そうしますと母音を組み合わせて発音する時どうなるでしょうか?
中語語では母音は子音に合わせた発音に変化します。このようにして子音優先の音声フォームになります。ですので徹底した子音トレーニングも可能になります。
では次回から各論に入りますが、まずは唇音の発音で実際どうなっているかを学びましょう。
次は5課:子音-1 唇をしっかり結ぶbpmf:唇音(しんおん)です。
■ 中国語発音、ピンインの読み方・拼读講座
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