【学び方-5】で子音と母音の関係性及び中国語は子音優先であることを取り上げました。日本語は母音優先です。
中国語走(Zǒu)の発音は「Z ǒu」です。子音の口の形は「Z(i)」で構え、瞬時に母音「ǒu」を組み合わせて発音します。そのとき「Z(i)」は構えですから、ǒu の 母音が続くからと言って決して「Zo」の口の形からスタートしません。
でも日本語では「ぞ」を発音するさい、最初に作る口の開きは母音の「あ」です。声に出すときはすでにあ行の子音「か」を一体化して発音しています。ですから日本人が走(Zǒu)を発音する時「Zo」から発音しますので、最初の口の形が中国人の発音のようではありません。
日本語耳では中国人の発音との違いに気づきません。
中国人の先生の発音を真似ているつもりですが、口の開き方を指摘してもらえなければ修正できません。残念ながら日本人のこの母音優先のことを中国人の先生は知りませんから、近い音になっていればそれで良しとなってしまいます。
中国人の先生に気づいてもらう方法があります。それが先生たちが子供のころ身に付けた、子音・母音を分解する方法にあります。
破壊と構築は中国で行われている 拼读pīndúです。
「破壊と構築」と二人が名付けたレッスン方法は確かに正式な名称はありません。でも百度(中国の検索エンジン)でピンインの習得法を調べますと、【拼读pīndú・ピンドウー】 というピンインの独特の読み方が紹介されています。この読み方が「破壊と構築」の方法でした。そしてこの読み方は子音優先!です。
普通話音節の構成ルールというタイトルです。中国語コメントを翻訳して添えました。「拼读音节的过程・Pīn dúyīn jié de guòchéng(音節の綴りのプロセス」という上記の画像の動画があります。中国語ですがご覧になってください。
ピンインには音節を形成する過程を表す、拼读ピンドウーという読み方があるということです。
★ 日本人はピンインの読み方を習うとき、表記されている読み方は日本のテキストやユーチューブ動画で教えてもらっていますが、読み方のプロセスは学んでいません。
李姉妹が動画で紹介した「破壊と構築」の方法がピンインをどう読むかのプロセスですので、それが「拼读(ピンド-)」だと理解できます。
拼读pīndú・ピンドウーの読み方がどんなものか?
上記の百度百科のサイトには拼读方法がいくつか載っておりましたので、その中でも最も基本的な「两拼音节的拼读」を紹介します。子音(声母)bpmfの唇音と母音(介音を含まない母音)との練習法です。
ピンインをお習いの方はこの子音bpmfの発音の仕方は習っているかと思います。そしてネィテイブ講師について勉強した方はこのように発音しましょうといわれて、一緒に口に出したかもしれません。ee!chaiの講師もこのように発音をお教えします。
拼读pīndúはこの読み方でピンインを発音訓練して学ぶ方法です。
もう少し複雑なピンインの場合は下記のような方法もあり、発音練習の方法もありますので簡単に図で紹介します。
ボードには以下のように記されています。
声母+介母+ 韵母➭ 三拼音节 sān
pīn yīn jié。
拼读口诀 Pīn dú kǒujué.
拼读でつぶやきましょう。
※口诀 kǒujué.は口ずさんで覚える九九のような言葉のことです
声轻 介快 韵母响Shēng qīng jiè kuài yùnmǔ xiǎng.。
声母(頭子音)は軽く、介音(半母音)は素早く、韻母(母音部分)は響かせて、
※声母は音節の最初の子音。响は響くです。
三音 连读 很顺当Sān yīn lián dú hěn shùndang。
3つの音を繋げて読めばとてもスムーズ。
※三っつの音とは声母+介母+ 韵母の事です。
そのようにして、声母・介母・韵母の三つをスムーズにつなげる、それが読み方のコツだという拼读のキャッチフレーズですね。
■ 拼读/pīndú はピンイン習得に最適な方法です。
そしてなぜこの拼读という中国式の練習法が身に付くのか?ポイントは次の図でまとめました。
この李姉妹2人が強調しているように、この拼读pīndú はピンインをしっかり読む、つまりピンインの読み方を覚えるための学習方法でもあります。
ということで、ee!chaiでは中国で行われているこの拼音拼读を大人対象にやってみよう。と考え現在準備中です。
大人の方がピンインの読み方の過程、つまりその仕組みを理解して練習をする方法は納得し易いと考えるからです。
そして実際の練習は子供と同じレッスンで、口に出して口ずさんでみましょう!です。
母音・子音それぞれに口诀kǒujué. という口ずさんで覚える「・・歌」が練習用にあります。右脳に染み込ませる方法です。
個別のピンインの発音だけではなく、中国語の語感を身に付けることも大切です。中国語では韻を踏んだ文章が独特の響きを醸し出します。母韵(母音)の韻です。日常会話では味わえないものがあります。
語感を身に付けるために詩のような短文も朗読します。
最終的には会話文なども音読して、実用中語語の発音にも慣れましょう。音読・朗読ではASK出版の「はじめよう 中国語音読 初級編」を使います。人気のある本です。
数名の少人数Zoomオンラインコースの教室です。
このNoteとストアカで募集の案内も行います。しばらくお待ちください。
いまそのテキストを作成中です。中国のテキストやWEBサイト、動画が資料です。ee!chaiの中国人講師が日本語説明でレッスンを行います。
発音がこのように重要ですが、フォニックスもピンインの拼读も日本では大人が学ぶ風潮がありません。
語学は音(発音)から入るというのは外国語学習の原点です。言うまでもないことですが、発音が悪いと通じません。正しい発音が出来れば、聞き取る力も身に付き、音で言葉を吸収できます。音で言葉を覚えますと、口に出すのは容易です。
もうひとつ注意すべきことがあります。
日本語では口の構えは母音から作りますから母音が優先の構えです。と述べました。日本語では母音の構えが優先ですから発声のスタートは母音の構えです。
そして中国語では、子音のフォームを確認したら、それを母音を変えてもフォームを崩しません。これがピンインの発声法の鍵になります。とも紹介しました。
つまり中国語では子音優先ですから、子音の構え(フォーム)をとってから本来の母音を付け直して連結しなおします。ということは、発音のスタートの構えは子音です。
★ このスタートの口のフォームの違いを意識してください。ピンインでしっかりトレーニングをして、このStepを中国人がマスターしたように私たちも学ぶ必要があります。そうでないと、日本語訛りが抜けない原因にもなります。
子音優先ですから、中国語の母音は発音上それほど重要ではないのかと言いますと、そうではないんですね。日本語の母音以上に大事に!発音する必要があります。それは母音に声調符号が付くからです。
中国語で母音が重要な要因がもうひとつあります。そしてそのことが日本語にはない、複母音などが存在することにもつながります。また、実際の発音で母音をいい加減に発音できない理由にもなります。
次回はピンインの構造と声調符号がどの母音につくかのルールについて記載します。また次々回では日本語にはない複合母音がなぜ中国語にはあるのか?その原因を通して日本語との違いから、発音の違いのイメージも紹介します。
補足
発声法とそしてとくにトレーニングの違い
日本語のトレーニング法・母音法をご紹介します。
■ 日本語の母音法:劇団員やアナウンサーの発音トレーニング法です、日本では発声練習と言います。
最も有名なものが劇団四季の「母音法メソッド」です。話し方講師の方がユーチューブ動画で紹介していました。
日本語で、話すことのプロフェッショナル達の多くはこの発声練習を行います。
日本語では口の構えは母音から作りますから母音が優先の構えです。しかし声を出す際に母音を強調するわけではありません。母音の口の開きをしっかりさせることが目標です。母音の口の開きとそれによる発音が明瞭であれば、どんなに早口で話してもまた小声でしゃべっても聞き易い、滑舌の良い話し方になります。
アナウンサーは相当早いスピードで話しているのですが、その発音が聞き取りにくいということはありません。
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