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母音が重要な中国語、でもピンインでは子音優先です!どういうことを言っているの? 

中国語は大きな声ではっきりと!と先生が言うのはどうして?

ネイティブの中国語の先生は、中国語は大きい声で発音しましょうと言います。小さい声だと声調が聞き取れないからですね。ということは声調のある母音をはっきり発音しましょうということになります。

実際そうだと思います。音域差のない日本語トーンで発音しても、声調で意味の違いを聞き取る中国では何を言っているのかわからない、「听不懂!tīng bù dǒng(何を言っているのかわからない!)」と言われてしまいます。

前回の課で中国語では子音優先だから、子音の構えをおろそかにしないようにと記述しました。ではこの母音重要との関係はどこから生じるのでしょうか?

そのことを取り上げます。

ピンインの音節の構成での学習Step

まずこの図をごらんください。

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通じる:声調の違いは意味の違い(漢字の違い)に大きく関係します。

聞き取りやすい:母音は口を開けて音声を発しますので、母音が明瞭であれば聞き取りやすくなります。

標準・きれい:子音は発音スタート時の構えで、舌の使い方、息の出し方で微妙な音の違いに影響があります。そり舌を使うかどうかで中国南方訛り(そり舌を使わない)や、有気音の激しい北京訛りなどがあります。
ですから子音の発音は中国語でいう標準語(普通话pǔtōnghuà)の発音に大きくかかわっていると考えます。

※ 中国人があなたの発音は「标准biāozhǔn」だと褒めてくれる時「中国語の発音が標準で、高く評価していることを意味します。子音が正確ですと标准と褒めてもらえます。

そうしますと、中国語発音の最初のStep1は声調、そして2で母音経験を積んで来たらStep3で子音を完璧にするという目標をたてることができます。

母音の発音が重要な理由、声調符号が母音に付くから。ではどの母音に付くのか?

音読は口で音声を出しながら意味をとるトレーニングですが、自転車に補助輪があると乗り易いように、ピンインが付いていれば補助輪が付いているようで初心者でも自転車に乗れます。

そして最終目標は、補助輪なしつまりピンインなしで漢字が読め、聞いた言葉もピンインに書くことができるようにすることです。

意味を取るうえで、中国語では声調が重要ですから、声調符号のついた母音は声調ごときちんと、発音しなければなりません。

母音の構造を理解して、同時に声調がどこに付くかも理解しましょう!

日本語の母音・子音の構造は単純です。母音が「あ・い・う・・・」の単母音だけだからです。中国語の母音には介音が加わります。発音の専門書をみますと、音節=声母(子音)+介母+韻母/声調とあります。つまり母音は介音と韻母の組み合わせで成り立ちます。

ピンイン全体を分類した構造図が下記です。構造図は配列と同じではありません。この表では尾韻「er」は載せていません。

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日本で出版される中国語の本では、この介母を区別せずに、介母+韻母を一括りにして母音にしています。

介音について

介母は介音と言います。仲介の介ですから、声母と韻母を仲介するという意味があるようです。i ・u・ ü の3つです。

中国語では中心となる母音は「a・e・o」ですから介音は中心となる母音の前に付く、母音と理解できます。

たとえば「见/jiàn」は j(声母)i(介音)an(韻母)になります。 

声調符号がどの母音に付くか?  

介音と韻母を母音にしますので、母音の構造は中国式で整理しますと、次のようになります。

① 介音は i ・u・ ü                           ② 韻母は                              ②ー1 単母音  a・o・e                           ②ー2 二重母音  ai ・ei・ ao・ ou                             ②ー3 鼻母音  an・ en ・ang ・eng ・ong             これで全部です。

日本では a・o・e を口を開ける音  i ・u・ ü を 介音 とはせずに 口をあまり開かない音 として、基本母音(単母音)としています。

日本人のための 中国語発音教本 アスク出版 母音の章

中国語音節の構図 

図にしますと音節は下記のようになります。

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声母:21 介母:3 韻母:12 その他:2

アタマで知り、カラダで覚える 中国語の発音 関西大学文学部教授 日下恒夫著 ㈱アルク 

その他の2は※(-i)(er)で、母音の変わり者と表現されていました。そり舌音やz・c・sの下歯音につく「-i」でこれは「i」の口の形は作りますが本来の「i」の発音にはなっていません。「er 」も声母の後ろの母音の位置に置かれていますが、直接声母と結合しない音ですので、正規の韻母の数には含まれないようです。

この音節はピンインの配列と同じで声母(子音)の次が介音、そして介音は韻母の前に置かれます。

声調符号は 介音と単母音、両方で基本母音と呼びますが、この基本母音に付きます。

単母音はアスクの中国語発音完全教本ではp16・20で、①口を開ける音 a・o・e  ②口をあまり開けない音 i ・u・ ü として記述しています。 

ちなみに中国の小学校の教科書では次のようになっていました。❶が口を開ける母音。❷が口をあまり開けない母音ですね。

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さらに基本母音の中でも優先順位があります

原則はその音節の中で口の開け方が最も大きい母音の上に付けるそうです。そうしますと、優先順位は次のようになります。

 1位↬a ➭ 2位 ↬ o  又は e (oとeは一音節では同時に現れない)  ➭3位↬  i ・u  (同時に表れたときは後ろの母音の方に付ける)

この優先順位を整理をすると、声調記号を付けるルールはこうなります。
まず声調符号は基本母音に振るが大原則です。そして

❶ 音節の中に基本母音が一つの時は、母音の上に!           鼻 bí 去 qù ❷ 音節のなかに基本母音が二つ以上あるときは次のように                          
⑴ "a"があるときは"a" の上に。       买 mǎi 关guān
⑵ "a"がないときはo" か "e" の上に。   有 yǒu 没méi  
❸ a.o.eがなく "i""u" が同時に並んで表れたとき(iu/ui)は後ろの母音に付
  ける。                牛 niú   回 huí

ピンインを見たら、そのアルファベットに従って口のフォームをつくろう!

このピンイン教本では再三「口の構え」と言いましたが、ピンインは動きのある口全体のフォームを表す記号でもあるといえます。

特に母音は「口の開き方」、子音は「舌の使い方、息の出し方」になります。ピンインは口や舌や息の形のフォームを表していますから、ピンイン通りにフォームを作るということが重要です。

そして母音の発音は複数の母音からなる複合母音でも一つ一つの単母音をフォームとして、滑らかにすべての母音をきちんと発音しなければなりません。それぞれの単母音の時の口の開き方や舌の位置を流れるように動きを変えてそのフォームを変化させます。

どんなに早口でも一つ一つの単母音のフォームを崩してはいけないのです。まるで運動選手のような完全に読むトレーニングが必要なのです。

ですから小学校で、みなで大きな声を出して、子音と母音を連結した練習を一生懸命行うのです。ということは私たち外国人もピンインをマスターして発音をよくしようとしたいなら、同じようなピンインの音節のトレーニングは絶対に必要です。

補足 ee!chaiの音節表

音節とは母音と子音で構成される一区切りの言葉です。ですので音節表は縦軸が子音、横軸が母音で、子音と母音の交わる升目に、子音+母音の一区切りを単位とする単語が記入されています。

ee!chaiの音節表です。声調の付く基本母音 a・o・e  でグループ分けし、さらに介音 i   u    ü  で分けています。鼻音を除いた部分で介音が付いた三重母音が登場します。

なお音節表で、升目にあたる箇所で記述してあるものは、全部言葉として使用する音声ですので、ピンインの縦読み、横読みのトレーニングをお勧めします。最後にインターネット上で音声付きでこの表と同形式のものがありますので、その音声について発音練習できます。」

縦読み、韻母 a の例 ➤ ba/pa/ma/fa/da/ta/na‥‥za/ca/sa.                 横読み、唇音 b の例 ➤ba/bo/bai/bei/bao・・・bang/beng.

1 グループ ➤  a・o・e    で始まる韻母のグループ   

音節表1グループ

2 グループ ➤   i で始まる韻母のグループ 

音節表2グループ

3 グループ ➤ u で始まる韻母  4 グループ ➤  ü で始まる韻母   

音節表3グループ

「ü」が「u」に表記変化する注意点

 ü が u  へつづり方の変更をするのは以下の場合だけです。

子音がなくてyを付けた場合の「yu yue yuan yun 」と子音がjqxの場合の「ju jue juan jun 」だけなのです。つまりこの8っつ、「yu yue yuan yun」「ju jue juan jun 」だけが u と記載されていても「ü」だと覚えていれば良いのです。

このことは音節表をみていれば簡単に分かります。
各グループの音節表に「声母なし」という行がbpmfなどの声母の列の最上部にあります。つまり子音無しで母音だけで音節になる場合があります。その場合便宜上子音のアルファべットを仮の子音としてつけます。

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 iyi   uwu ü➭yu は「i u ü」は単独で音節にしたい場合は、このようにつづり方を変更しなければなりません。
上記の図は  uwu ü➭yu を表しています。

すこし混乱し易いのが下記の「ü」が「u」に表記変化するケースです。

これが一番戸惑う方が多いようです。
舌面音j・q・xは4グループは üで始まる韻母ですが「u」になっています。しかし n l の 舌尖音では「ü」で表記されています。

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舌面音では「u uan  un」の表記ですが実際の発音は「ü/üan/ün」です。

舌面音j・q・xでは u の母音はありません。ですので母音の標記がuになっていますが、これはüを表記変化させたものです。「ju」という表記でも音は「u」ではありません

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同じ舌尖音の4gp➤üで始まる韻母もuに表記変化させられませんから、実体で表記しています。

しかし舌尖音の子音nとlは母音に「u」と「ü」の両方があります。ですので「ü」を「u」に表記変化させることができませんのでそのままです。  例➤  路/Lù 绿/ Lǜ   

ややこしそうですが、音節表で見比べますと「ü」を「u」へ表記変化させたのは 舌面音j・q・x だけですので、これだけ覚えておけば他は表記通りですので問題ありません。

そしてもう一つが「声母なし」の場合の yu  yue  yuan  yun  は「u」という表記ですが発音は「ü」ですから要注意です。

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で結局この8つのケースしかありません。音節表で探せばすぐに分かります。

音節表の活用法

ピンインが正しく浮かばない場合は音節表を手元に置いて確認することがお勧めです。とくにパソコンでのキイボードでの入力、あるいは中国語を声に出して音声入力をして文章化する場合など、発音が不正確ですと意図している文字がなかなか出てきません

そんな時に音節表は役に立ちます。似た音で音節表からピンインを調べて入力もしくは発音を修正して入力ができます。

その際拼读の読み方で子音・母音を分解して正しい発音を確認し、声調をつけて発音修正を行えば、正しく文字変換もしてくれます。

弱点のピンインもあればそれを集中的に練習できますし、ピンインにないアルファベット(マス目で文字がない部分)も確認しておけば妙な発音をしなくなるようにもなります。

下記のWEBサイトでの音声付きピンイン表は、上記のee!chiの表と同じ分類で、介音別で韻母をグループ分けしています。ですので対比して使えます。音声つきですから、上記の注意すべきピンインの箇所をクリックして聞き比べ、そして自分でも言い比べして練習に使ってみてください。

縦読み・横読みトレーニングの模範サンプルとして、シャドーイング練習にも使えます!